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マルマライ(Marmaray)はボスポラス海峡を横断する海底鉄道トンネルにより、イスタンブールのヨーロッパ側とアジア側を接続する事業の名称である。Marmaray の名称は事業区域のすぐ南にあるマルマラ海 (Marmara) と、トルコ語で鉄道を意味する ray のかばん語(混成語)である。概要イスタンブールは人口1300万人を抱え一大経済圏を形成し、またアジアとヨーロッパの境界という地理的な要因によって交通の要衝として栄える、イスラム圏最大級の世界都市である。そのイスタンブールにおいて都市形成に大きな影響を与えているのが、ヨーロッパとアジアを分断する全長約30kmのボスポラス海峡であった。この海峡には第一ボスポラス大橋、ファーティフ・スルタン・メフメト橋という2本の道路橋やフェリーなどの船舶があるものの、人口増加や経済発展に伴い深刻化するイスタンブールの交通事情のボトルネックとなっていた。そのため地下トンネルによって両岸を鉄道で結ぶ事で街の混雑緩和を図り、海峡で二分された街の一体化によって名実ともに“アジアとヨーロッパの結合点”として成長させる、トルコの国家を挙げての一大事業がマルマライであった。計画自体はオスマン帝国時代の1860年に設計図が描かれて以降、何度も計画が立ち上がったものの、政治的あるいは技術的理由により頓挫した経緯を持ち、トルコ国内では“トルコ150年の夢”として国民の関心も高い。事業区間はボスポラス海峡下を沈埋トンネル(ボスポラス海峡横断トンネル)によって横断する13.6 kmの区間と、既存設備を改良する63 kmの郊外区間に分けられ、ゲブゼ‐ハルカル間、計76.3 kmは高頻度運転路線となる予定である。日本の大成建設と現地トルコのガマ重工業、ヌロール社の3社によるJVで、高度な技術を必要とする沈埋トンネル部分を主に大成建設が、近隣対策が必要な郊外部分を主にガマ重工業およびヌロール社が施工している。トンネル海峡区間は、11個の函を組み立てた全長1,387mの沈埋トンネルにより横断する。これらの函はもっとも深いところで海面下約60mの場所に置かれる。海水部分が55m、海底部分が4.6mである。世界有数といわれる海流速(約2.5m/秒)という厳しい条件下での施工であったが、2004年5月に着工し、2008年8月には海中60mでの沈埋函接続を、2010年2月には海底トンネル(沈埋工法)とアジア側のアイルルクチェシュメから掘られた陸地トンネル(シールド工法・NATM工法)との接続をそれぞれ成功させた。2011年2月にはヨーロッパ側のカズルチェシュメから掘られたトンネルとも接合され、トンネル全体が貫通した。

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